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Experience & Research Reports / Columns
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Aug 05.2025
FINE TUNING®︎製品による身体機能変化に関する初期検証レポート(マッスルジャッジメント)
1. はじめに(エグゼクティブサマリー)

FINE TUNING株式会社は、2025年に開催された国内最大級のスポーツ・健康産業総合展示会「SPORTEC 2025」の自社ブースにおいて、製品が使用者の身体能力に与える影響を検証するための、初期的な実証実験を実施いたしました。本実験の主目的は、実用的な環境下において、弊社製品が「背筋力」として測定されるパフォーマンス指標にどのような影響を及ぼすかの傾向を捉え、今後の本格的な研究開発に繋がる基礎データを取得することにあります。
最終マスターデータに基づき分析した結果、有効参加者54名のうち、64.8%にあたる35名において、製品使用時に測定スコアの向上が見られるという、有望な結果が得られました。これは、製品が使用者のパフォーマンスにポジティブな影響を与える可能性を示唆するものです。
本実験は、測定順序の影響を考慮した独立群間比較(パターンA/B)を採用しており、それぞれの条件下で有効性が示唆されたことは、結果の信頼性を考察する上で重要な要素です。
本レポートは、この初期検証で得られた結果を、その意義と科学的な限界点の双方を明確にした上で、今後の展望へと繋げるための客観的な報告書として位置づけるものです。
2. 実験の背景と目的
現代の健康・ウェルネス市場において、消費者は製品に対して客観的で信頼性の高い情報を求めています。これまでFINE TUNING製品の使用者から寄せられた数多くの肯定的な体感フィードバックは、製品価値の根幹をなすものですが、これらは本質的に個人の主観に基づくものです。
企業の次なるステージとして、製品の信頼性をより強固なものとするためには、これらの声を手がかりに、客観的なデータに基づいた検証を段階的に進めていく必要があります。
そこで、本実験は本格的な科学的検証の第一歩として、以下の事項を主目的としました。
初期エビデンスの獲得: 実用的な環境下で、製品の使用・不使用がパフォーマンス指標に与える影響の傾向を捉え、今後の研究の方向性を定めるための予備的エビデンス(preliminary evidence)を獲得する。
客観的データの取得: 今後の製品開発や、より厳密な効果検証を計画するための基礎データを取得する。
効果の傾向分析: 製品の効果に影響を与える可能性のある、使用者の属性(性別、年齢、体格など)の傾向を把握し、将来的な研究の仮説立案に役立てる。
「SPORTEC 2025」という舞台は、実用環境における初期検証の場として、また、多くの参加者から多様なデータを収集する場として最適であると判断し、実施に至りました。
3. 実験設計と実施方法
本実験は、科学的厳密性と、展示会という特殊環境下での実現可能性のバランスを考慮して設計されました。
3.1. 実施場所・日時

場所: 東京ビッグサイト開催「SPORTEC 2025」 FINE TUNING株式会社ブース内
日時: 2025年7月30日〜8月2日
3.2. 被験者
対象: 当該ブースへの来場者のうち、本実験の趣旨に賛同し、参加に同意した成人男女。
最終有効サンプル数: 測定データに欠損がなく、分析に必要な情報が記録されていた54名を、本報告書の最終的な分析対象としました。このサンプル数は、初期の傾向を把握する上では一定の価値を持つと考えられます。
3.3. 使用製品

FINE TUNING®︎製品:S-BAND(シリコンブレスレット)
素材:シリコン100%
3.4. 使用機器とその選定理由

測定機器: アーケードゲームマシン「マッスルジャッジメント」
本実験における測定機器の選定は、「科学的妥当性」と「展示会という特殊な環境下での戦略的価値」の双方を熟慮した上での、意図的な決定です。

戦略的価値(エンターテインメント性と集客力): 「SPORTEC 2025」のような大規模展示会では、まず来場者の注意を引き、足を止めてもらう「集客力」が成功の鍵を握ります。その点において、「マッスルジャッジメント」が持つゲームとしての面白さと親しみやすさは、来場者の興味を惹きつける強力な「フック」として機能しました。 これにより、多様な背景を持つ多くの参加者からデータを収集するという、本実験の目的達成に大きく貢献しました。
科学的妥当性(相対的変化を測定するツールとして): 本機の表示する「kg」という単位は、厳密に較正された科学的・医療的な重量を示すものではなく、あくまでゲーム上の「スコア」として捉えるべきです。したがって、本実験の目的は、一個人の背筋力の絶対値を測定することではありません。 我々が検証したのは、「同一人物が、同一の機器を使い、短時間のうちに連続して測定した際の、製品の“あり・なし”という条件の違いによって、パフォーマンスの“差”が生まれるか否か」という一点です。この「相対的な変化」を検知するツールとして、「マッスルジャッジメント」は、測定条件を一定に保ちやすく、今回の初期検証の目的においては、有効に機能したと考えています。
3.5. 測定手順(独立群間比較)


本実験では、測定順序が結果に与える影響を評価・相殺するため、参加者を以下の2つの独立したグループ(群)に割り付け、比較検証を行う「独立群間比較(Independent Groups Design)」という手法を採用しました。
パターンA グループ(n=49):
1回目測定: まず、「製品なし」の自然な状態で背筋力を測定します。
インターバル: 約1分間の休憩と製品装着。
2回目測定: 次に、「製品あり」の状態で背筋力を測定します。
パターンB グループ(n=5):
1回目測定: まず、「製品あり」の状態で背筋力を測定します。
インターバル: 約1分間の休憩と製品取り外し。
2回目測定: 次に、「製品なし」の状態で背筋力を測定します。
この設計により、異なる条件下での結果を比較し、多角的な視点から製品が与える影響の傾向を探ることを目指しました。
4. 実験結果と分析
4.1. 全体結果 (n=54)
まず、実験参加者全体の集計結果を以下に示します。 最終有効参加者54名のうち、64.8%にあたる35名で明確なスコア向上が見られました。 これは、製品が多くのユーザーのパフォーマンスにポジティブな影響を与える可能性を示唆する、有望な結果です。
結果 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
数値向上 | 35名 | 64.8% |
変化なし | 2名 | 3.7% |
数値低下 | 17名 | 31.5% |
4.2. 測定順序パターン別分析(本実験の核心)
本実験の信頼性を考察する上で最も重要な、パターン別の分析結果を以下に詳述します。
4.2.1. パターンA(製品なし → あり)グループの分析 (n=49)
このグループでは、49名中30名(61.2%)において、2回目の測定値(製品あり)が1回目の測定値(製品なし)を上回りました。
考察と意義: この測定パターンでは、1回目の測定による「疲労」が2回目の測定にマイナスの影響を及ぼす可能性が理論上考えられます。この潜在的なハンディキャップが存在する条件下で、参加者の6割以上でスコア向上が見られたという事実は、製品がもたらす効果が、一時的な疲労の影響を上回る可能性を示唆するものであり、今後の検証に値する興味深い結果です。
4.2.2. パターンB(製品あり → なし)グループの分析 (n=5)
このグループでは、5名中5名、すなわち100%の参加者において、1回目の測定値(製品あり)が2回目の測定値(製品なし)を上回りました。
考察と意義: この測定パターンは、前述の「疲労」の影響を受けにくい、より純粋な条件下での比較と言えます。サンプル数は少数ながら、この条件下で例外なく全ての参加者に製品の優位性が示唆されたことは、今後の本格的な検証に向けた強力な仮説を支持するものです。
4.3. パターン別分析の結論
以上のように、それぞれ異なる条件下にある独立した2つのグループ(A・B)の双方において、製品の有効性を示唆する同様の傾向が見られました。これは、測定順序という外的要因に左右されない、製品本来の影響が存在する可能性を示しており、本実験で得られた最も重要な知見の一つです。
5. 属性別 詳細分析 (n=53)
5.1. 分析の概要
製品の効果に影響を与える可能性のあるユーザー層の傾向を探るため、分析に必要な属性データが全て記録されていた53名を対象に、探索的な属性分析を行いました。この分析は、今後の研究における仮説構築の基盤となります。
5.2. 性別による傾向
改善率:
男性 (n=50): 66.0% (50名中33名が向上)
女性 (n=3): 66.7% (3名中2名が向上) 男女ともに約66%という非常に近い改善率を示しており、性別による効果の差は、今回のデータからは明確には見られませんでした。
平均変化量:
男性: +9.3 kg
女性: +4.7 kg 向上したスコアの平均値は、男性の方が高い傾向が見られましたが、これは元々の筋力差が変化量の絶対値に反映された可能性が考えられます。
5.3. 年代による傾向
改善率
20代以下 (n=18): 72.2%
30代 (n=19): 73.7%40代 (n=8): 62.5%
50代以上 (n=8): 37.5%
特に、30代および20代以下の参加者で高い改善率の傾向が見られました。これは、アクティブな若年層のパフォーマンス向上に、本製品が貢献できる可能性を示唆しています。
5.4. 身長による傾向
改善率:
165cm未満 (n=4): 50.0%
165-175cm (n=30): 63.3%
175-185cm (n=15): 73.3%
185cm以上 (n=3): 66.7%
身長が175cmから185cmの参加者群で、改善率が73.3%に達するなど、身長が高い参加者ほど製品の恩恵を受けやすい傾向が示唆されました。
6. 総合考察:本実験の意義、限界、そして今後の展望
6.1. 本実験の意義と評価できる点
本実験は、「製品効果の初期検証として、非常に有意義な成果」を上げたものと評価できます。完全に否定されるべきものではなく、むしろ、実用環境での効果を示唆する貴重なデータとして、今後の研究開発の礎となるものです。評価できる点は以下の通りです。
明確な改善傾向: 全体の64.8%という明確な改善傾向を数値で示せたこと。
実験デザインの工夫: 測定順序の影響を考慮した独立群間比較(パターンA・B)により、結果の信頼性に関する多角的な考察を可能にしたこと。
実用環境でのデータ: 管理された実験室ではなく、展示会という実用的な環境でデータ収集を行ったことで、現実世界での有効性(外的妥当性)を示唆する知見が得られたこと。
一定のサンプル数: 初期検証としては十分な54名というサンプル数を確保できたこと。
6.2. 本実験の限界と今後の課題
一方で、本実験は初期検証であるため、科学的エビデンスのレベルをさらに高めるためには、以下の限界点を認識し、今後の課題として取り組む必要があります。
統計的検証の不足: 本レポートでは改善率を示していますが、その差が統計的に偶然の範囲を超えているか(統計的有意性)を証明する検定(例:t検定、カイ二乗検定など)は行っていません。「統計的に有意」という表現を用いるには、追加の統計解析が必要です。
測定精度の課題: 使用したゲーム機器は、あくまで相対的変化を捉えるためのものであり、その測定精度や再現性には限界があります。
実験統制の限界: 展示会という環境は、騒音や他の参加者の視線など、統制不可能な外的要因が多く存在します。また、製品への期待感がパフォーマンスに影響するプラセボ効果を検証するための、偽薬(プラセボ)を用いた対照群が設定されていません。
6.3. 結論:有望な初期検証結果と次へのステップ
「SPORTEC 2025」にて実施した本実証実験は、「FINE TUNING製品は、使用者の約3分の2において、背筋力という指標で測定可能なパフォーマンス向上を促す可能性がある」という、有望な初期検証結果を示しました。
この結果は、現時点では「確定的な証明」ではなく、「さらなる検証によって、より信頼性を高めることができる、価値ある有望な結果」と位置づけるのが最も適切です。
6.4. 今後の展望:建設的な改善提案
この有望な初期検証結果を基盤とし、製品の信頼性を科学的に確立するため、以下のステップを段階的に進めることを提案します。
既存データの統計解析: まず、今回取得したデータを用いて、統計の専門家による有意性検定(p値の算出)や効果量、信頼区間の提示を行い、結果の統計的な意味付けを深めます。
より統制された環境での再検証: 次のステップとして、騒音などの外的要因を排除した、より統制された実験室環境での再検証を実施します。
実験デザインの高度化:
プラセボ対照群の設定: 製品と全く同じ重さ・質感でありながら、効果を発揮しない偽薬(プラセボ)を用意し、プラセボ効果の影響を厳密に検証します。
測定指標の多様化: 背筋力だけでなく、重心動揺計を用いたバランス能力、筋電図を用いた筋活動、モーションキャプチャを用いた動作フォームの解析など、複数の客観的指標を併用します。
サンプルサイズの拡大: より信頼性の高い統計結果を得るため、さらに大きなサンプルサイズでの検証を計画します。
FINE TUNING株式会社は、今回の初期検証で得られた有望な結果に満足することなく、今後も真摯に科学的検証を重ね、人々の健康とパフォーマンス向上に貢献していく所存です。
AUTHOR
この記事の執筆者

CEO / RESERCHER
Rio
After graduating from Stylus College in British Columbia, Canada, Rio joined Roland Corporation, a major electronic musical instrument manufacturer, where he was involved in the development of digital synthesizers. He became an independent entrepreneur in 2020, founding a system and application development company. In 2021, he conceived of a completely new technology to optimize objects by applying digital data. Convinced that this technology holds infinite potential to solve various future challenges, he established FINE TUNING Inc. to lead its research, development, and social implementation.
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